ビデオカードのヒートシンク交換

タワシ

 こちらとかこちらの話の続きです。ビデオカードは、AOpenのP86GT-WD256Xというファンレス仕様のGeForce 8600GTビデオカードを使っています。ビデオカードを選ぶにあたって、あんまりゲームはしないんだけど、でも3D性能は無いよりもあった方がいい、でもやっぱりあんまり使わないだろうから、ファンとかついてなくて消費電力も少なめのやつ…という考えで、AMR Stationさん等を参考にして、GeForceの7600GSや8600GTのファンレスモデルを候補にあげた方は意外といらっしゃるのではないでしょうか。しかし、ここここの結果をみるに、メーカーそのまんまのファンレスではアイドル時には55度前後、高負荷時には80度前後にどうしてもなってしまうようで、実際私の環境でもATI TOOLというソフトで高負荷(タワシといわれるモジャモジャのやつが3Dで回転するやつ)をかけると、コア部で83度(室温19度)、シンク部分のファンコン計測で65度に達してしまい、これは精神衛生上良くないなと*1、うれしそうにヒートシンクの取り替えを行ったのでした。候補としては、ZALMANのファン付きのやつとThermalrightのHR-03、そして今回選択したAccelero S2があがり、ビデオカードをさすスロットの上方が2スロット分あいてるというP5K-Eの構造上、HR-03にしたかったのですが、コストパフォーマンスの良さにまけてAccelero S2を選んでしまいました。Accelero S1/S2については、以下がとても詳しいです。
4Gamer.net】[レビュー]Accelero S1/S2
http://www.4gamer.net/review/accelero_s1_s2/accelero_s1_s2.shtml

交換作業の注意点

交換作業で引っかかった点をメモしておきます。

  • まずデフォルトのヒートシンクは、セメントみたいなのでがっちりチップについていましたので、ちょっと力をいれてひねるように引きはがすとパカッととれると思います。それ以外は取り外し作業に関しては戸惑う部分はなかったです。昔に比べてこの手の取り外しはネジ回しひとつで簡単にできるようになっていると思います。
  • GPUのダイには、このセメントみたいなのが割とこびりつくように残っています。当然固い物ですのでティッシュなどでふき取れるものではありません。どうしたもんだと一瞬戸惑いましたが、爪で根気よく削り取りました。多分専用の引きはがし剤みたいなのがainex辺りにあるんだと思います。
  • 取り付けも簡単だったと思います。GPUダイとの接着部はこれまたセメントというか熱で溶けて固定化するやつで、これhttp://www.ainex.jp/products/ht-08.htmに似たやつだと思います。はじめの状態では接着力はなくて、一旦くっつけてから離すと一部だけちぎれて残ったりして、昔あっさりダメにしたことがあります。扱いにはちょっと注意してください。まあ失敗したら、きれいにはがしてしまって、グリスを使えばいいと思います。
  • 取り付けてみると、カード上の背の高いコンデンサの一部がヒートシンクに干渉しているようでしたので、カードとヒートシンクを反対側に離すように慎重に力をかけてパイプ部分を曲げて接触しないようにしました。
  • 最後にプラスチック製のスペーサーで補強するわけですが、これも取り付けると、コンデンサと干渉してしまいますので、取り付けを見送りました。
  • 下の写真はコンデンサの干渉を避けたあとのものだと思います。初めはシンク部分がもっと下でコンデンサとあたっている感じでした。

結果

グラフィックコアの数値は、SpeedFan読みです。シンクの数値はヒートシンク表面の中央あたりに取り付けた温度センサーの数値です。横からこんな感じで弱い風(12cmファン800rpm)があたっています。ATI TOOLを10分程動かした後計測しました。交換前と交換後のデータでは室温が違います。この他に、ケースファンは背面に12cmファン(Q-FAN可変ですが、900rpm前後)、前面下部に主にHDD冷却用に10cmファン(1100rpm前後)です。

室温 シンク部分 コア部分
交換前 高負荷10分後 19度 65度 83度
交換後 OS起動直後 21度 26度 38度
交換後 高負荷10分後 21度 36度 52度
交換後 高負荷終了後Web巡回程度 21度 30度 43度

以上のようにしっかりとした結果が出ました。しかし、交換前のヒートシンクもフィン数が少ないとはいえHR-03に形状が似ていて(これが気に入って買ったのですが)そんなに冷えないという感じもないんだけどなあ。対してAccelero S2は割とちゃちな感じで効果高そうという感じもしないし。よくわからないですね。
 追試として、内部の12cmファン(これ)を止めてみました。

室温 シンク部分 コア部分
OS起動直後 26度 29度 41度
高負荷10分後 26度 40度 60度
高負荷20分後 26度 42度 63度
高負荷40分後 26度 44度 64度

 測定日が違うので、室温が5度違います。コア部の温度上昇が顕著なのに比べて、ヒートシンク部は室温差と同じという、ほんまかいなという結果になりました。もしかしたら、温度センサーの位置が違っているのかもしれません。あと、内部の12cmファンを止めてしまうと、SOLOの前面横スリットの空気取り込み口中段あたりにつけてある温度センサーが26→28→32度あがっていきました(ファンをまわすとすぐに26度になりました)ので、ケースのエアフローにも問題ありそうです。
以上、参考になれば幸いです。

*1:あくまでも精神衛生上です。仕様上はこの温度でも問題ないんだと思います